若者(ミレニアル世代)はなぜそんなにパワーストーンに夢中なのか?

パワーストーンはTシャツに合わせると可愛いから、だけじゃなくて、柔軟でスピリチュアルになれるの、ミレニアル世代は言います。

Jessie Oatmanは失恋して落ち込んでいました。私の運命の人を失ったと彼女は思い込んでいました。彼女はその時、パワーストーンを買ってみようかなと思いました。

34歳の彼女は自分のハートが何百、何千もの小さな欠けらに砕け散ってしまったように感じると言っていました。肩を落とし、失恋の重圧をずっしりと感じていました。

当時シャーマニズムを勉強していた彼女の友達が彼女の体のチャクラ(エネルギーの出入り口)に沿ってパワーストーンを置きました。

パワーストーンの波動と癒しの特性が、チャクラに滞留している負のエネルギーを浄化し、心と身体を正常に戻すと多くの人が信じています。

その友達は失恋の傷を癒すと言われる”愛の石”薄ピンクのローズクォーツをJessieの胸の上に置きました。

”とても衝撃的な経験でした。心につかえていたものがスッと消えたように感じたんです。”Jessieは言います。”私の心にのしかかっていた重しのようなものがローズクォーツと一緒に浮き上がっていくのを感じたんです。”

今では結婚しているJessie、それ以来ローズクォーツはずっとお気に入りの石です。

パワーストーンの需要は、著名人の支持と主要都市とファッション、美容業界におけるニューエイジの復活に支えられて、近年急増しています。

Etsyの加盟店であるEmily Bidwell 氏は、昨年1月にEtsyの「高まる傾向」として2007年1月にRefinery29に語りました。ジオードモチーフ、Bidwell氏は述べています。昨年12月、国際的なトレンド予測者 J. Walter Thompsonは、同社の2016 Future 100 Trends Reportで、「神秘的な美しさ」スピリチュアルをテーマにした鉱石を混ぜた美容製品を含むカテゴリに注目しました。

パワーストーンが最初に流行り始めたのは1970年代でしたが、新しいパワーストーン愛用者としてのターゲットは今20代、30代の若者たちです。

”神秘主義と宝石を再パッケージ化して、健康的な生活(Well-being)製品としてミレニアル世代に提供するんです。”世界的トレンド予測者Lucie Greeneは去年Huffington Post誌で語りました。

カイリー・ジェンナー Kylie Jenner, ケイティ・ペリー Katy Perry, ミランダ・カー Miranda Kerrのような若いセレブを始めとするHipで都会的で多様性のある顧客にリーチしようとしています。

ロサンジェルスにあるCrystal Matrix shopのオーナーPatricia Bankinsは2016年次のように述べました。”優勢な人口統計は今や多くの若者たちになりました。30年前は、スピリチュアルなクラスに参加する傾向にあるのは中年の女性か一部のゲイだけでした。”

ミレニアル世代が必ずしも宗教を信仰する傾向にあるという訳ではありません。2015年に実施されたPew studyによると、1981年から1996年の間に生まれた人たちのうち神が存在すると信じているのは約半数です。一方自分の人生において宗教がとても大切だと考えているのは10人中4人でした。

パワーストーンはただの物質的なトレンドではないようです。

専門家によると、ミレニアル世代の若者たちは、複数の信仰や古代の伝統と自らのスピリチュアルな実践を織り交ぜて体験できるため、クリスタルヒーリングなどのスピリチュアルなセッションを選んでいます。

パワーストーンの伝承者いわく、癒しの鉱石のルーツははるか数千年前に遡ります。

古代エジプトではラピスラズリ、ターコイズ、水晶、トパーズで死者の墓を飾り、宝石をお守りとして身に着けていました。

古代ギリシャの兵士たちは、戦いの前の保護としてヘマタイトを使用し、二日酔いを防ぐためにアメジストを使用した、と一部の伝説で言われています。

アーユルヴェーダのような施術では、サファイヤやルビーのような宝石は正義と活力に関連しているとされています。

現在のパワーストーン市場は、40年近く前、70年代から80年代後半にかけてのニューエイジ運動(自己治癒(セルフヒーリング)に焦点を当てたホリスティックなセラピーや哲学)当時に生まれたマーケティング戦略によって生まれたものです。それを機にパワーストーンは一躍脚光を浴びるようになりました。

中年期にさしかかっていた団塊の世代はニューエイジ運動にのめり込みました。

ニューエイジャーたちはジョージ・ブッシュ、ロナルド・レーガン時代のアメリカの60年代カウンターカルチャー的価値を守ろうとし、また、新左翼(急進的草の根政治の信者)の古いメンバーとヒッピー(自己探求の信者)との融合を計ろうとしていた、とデンバー大学の宗教学科の教授であるCarl Raschkeは言います。

しかし、ニューエイジ運動は目的に導かれた政治的運動へ発展することなく、崩れ落ちた60年代70年代のカウンターカルチャー的価値を守るための狡猾な製品化とマーケティング戦略へと様変わりしました。と彼は語ります。

ニューエイジという言葉は意図的に曖昧にされ、中核的な信条や教義はありませんでした。とRaschkeは語ります。

非西洋的なスピリチュアル実践や、唯物論、消費主義、産業技術に疑問を投げかけるような内容を含むようなものを総称してニューエイジと呼んでいました。

占星術、異教徒、瞑想、ヨガなどがニューエイジ運動のアイコンでした。

ニューエイジ運動が盛んになるにしたがって、パワーストーンが人気を博すのにも時間はかかりませんでした。1986年のNew York Timesの記事”新しい宝石熱:精神世界への探求”の中でタイムズ紙は1ドル相当の水晶の価格が10ドルまたは12ドルまで急上昇したと報告しています。

”今注目のホットアイテムですよ”とアメリカ自然史博物館の宝石と鉱物の学芸員であるジョージE.ハーロー博士は言います。healie feeliesがパワーストーン の市場を作り、パワーストーン ディーラーは水晶の在庫を維持するのに苦労しています。

90年代初頭までは、パワーストーン はベルベットのテーブルクロスの上に置かれたパチョリに浸したお店で購入するものでした。しかし今日、石の商業的見通しはメインストリームです。

ラブラドライトの宝石タワーはEtsyベストセラーであり、AllureNylon, Vogueなどの雑誌は、ムーンストーン、ローズクォーツ、アメジストを配合した58ドルの波動をあげるミストや44ドルのトルマリンをチャージした保湿クリーム、ハートチャクラを刺激するよう設計された(ニキビ予防にもなるという)90ドル弱もするエメラルドのフェイスオイルをもてはやしています。

ミレニアル世代の若者たちは水晶を満月の月光で浄化するということもしています。多くは石に自分の肌を完璧に見せる効果を期待しています。

ミレニアル世代の若者たちは本当にスピリチュアルに興味を持ってパワーストーンを購入しているのでしょうか。ただ流行に乗っているだけなのでしょうか。専門家はこの2者ははっきり分けられるものではないと言います。

今日、物を買う行為自体が精神性の表現である、とバージニア州の大学で宗教学の准教授であるMatthew Hedstromは言います。

若い世代の中に複数の信仰を持つ人たちが増えています。宗教が消費するものの一つになっています。なぜなら宗教もある意味楽しむもの、便利なものだからです。組織化された宗教コミュニティでは、毎週礼拝に行かなければならないと彼は指摘します。

The Service Industries Journalのニューエイジグッズ店に関する 2014年の調査で、スターリング大学の2人の研究者が以下のように述べています。彼らの言うところの”スピリチュアルスーパーマーケット”であるニューエイジグッズ店の購入者は、単一の信仰に同意するのではなく、自分独自の信仰を形作るためにスピリチュアルで宗教的な商品を選んでいる。

今日の市場主導型経済で、オンラインでいくらでもスピリチュアルに関するガイダンスにアクセスでき、スピリチュアルに関する本、ポッドキャスト、リトリートセンター、およびワークショップが溢れている状況は全て”各個人用にカスタマイズされたスピリチュアルな道”を解放したと研究者は言っています。

このスピリチュアルのDIYは若い世代全体に広がる”個のカルチャー”の一部です。とサンディエゴ州立大学の心理学教授でジェネレーションミーの著者であるJean Twenge氏は語ります。

個人主義は基本的にあなたが他の人達と一緒に出かけたり、宗教的な奉仕に行く必要はないと言っています。神のような自分よりも大きな何かを信じる必要はないんです。とTwengeは言います。極端な個人主義は宗教とは全く相容れません。

だからと言って、若い世代が自己陶酔のあまり大いなる力の存在を否定している訳ではありません。

ミレニアル世代の若者達は宗教にそれほど興味はないかも知れませんが、年長者と同じようにスピリチュアルには関心があります。Pewによると、40%以上の若者が”週に1度以上宇宙の不思議を感じる”と言っています。

同時に、大人たちはますます伝統的な宗教機関の外で行われている活動から精神的な驚異を感じ取っています。18歳以上の成人約4,000人を対象とした2009年のPew研究では、ほぼ4分の1がヨガをスピリチュアルな実践と見なし、4分の1以上が山や森林などの存在の精神的エネルギーを信じていました。

2009年のアンケートの参加者のうち、自分は無宗教だと言う約30%が、”突然の宗教的な洞察や目覚めの瞬間”を経験したと報告しています。この数値は1976年の調査結果よりはるかに高い数値であり、1962年のGallup調査結果の約2倍の数値です。

このスピリチュアル信者の急増は、宗教学者の世俗主義の定義を変えつつあります。特に若い世代の人たちは精神的な糧をカソリック教会のような伝統的な宗教機関の外に、または合わせて求めています。とHedstromは言います。

宗教を学ぶ人たちのうち更に多くの人たちが考えるのは、宗教の不在ではなく、宗教の支配が終わったということです。

宗教の5つの選択肢、または10の選択肢ということではなく、全てをミックスしていいですし、自分でオリジナルを作り上げてもいいのです。

顧客のニーズに合ったスピリチュアルセッションを提供することこそ、シャーマニック開業医であるJulie Ann Travisの仕事です。34歳の彼女は、アトランタにあるStoneflower Healingでシャーマニックヒーリングエネルギーセッション、ストーントリートメント、ストーンエリキシルの処方を提供しています。

「私はスピリチュアルであり宗教的でもあります。」とTravisは言います。彼女は古代の道教の石薬学の解釈を支持しています。「本当に、私にとってこの人生の旅の目的は何度も何度も本当の自分を発見し、他の人もご自身を発見する手助けをすることです。」

私が初めてパワーストーンに惹かれたのは、陶磁器の美術学修士(MFA)を取得しようとしていた時です。作業をするうち”地中は神聖な空間”という考えが深まりました。彼女はこの10年間自分のスピリチュアルな施術にパワーストーンをどう融合するかを研究してきました。

”現在はツボにパワーストーンを置く施術を行なっています。鍼を怖がるお客様にも喜ばれています。”

Oatmanはシャーマニックな経験から、彼女はローズクォーツが新しい愛を呼び寄せるというよりも、彼女がずっと持っていたオープンさと力を肯定してくれるということに気づきました。彼女は最近シトリン(ペールイエローまたはゴールデンブラウンの富を象徴する石)を持ち歩いています。

Oatmanは乳癌からの生存者でもありますが、瞑想のときもシトリンを持っています。シトリンはヒンズー教の女神Lakshmiに関連しているからです。彼女の大きく開いた手は常に与えることと受け取ることを象徴しています。

石は思い出させてくれるものだと思います。Oatmanは言います。自分の人生で常に新しい機会にオープンであること、そして他者に貢献することを。

“私にとってスピリチュアルとは自分の内側、大いなるものへの信念に入っていくことです。パワーストーンは私にとって更に大切なものになっています。石は私の中に既にあったものを引き出してくれるものです。

出典:https://psmag.com/news/why-are-young-people-so-into-healing-crystals


これは2017年4月にアメリカ人によって書かれた記事ですが、アメリカの若い人たちの間でスピリチュアルは広まっているけれども、既存の宗教をただ信仰するという人は少数派になりつつあるんですね。

ただ、スピリチュアルを過度に商業(金儲け)目的に使うのはどうなのかな…と個人的には思います。「波動をあげるミスト」とかホントかよ、と思っちゃいますね。

波動を上げるってそういうことじゃないんだよなぁ…。